こんばんは。尾道市にありますなかた美術館で、去年に引き続きワークショップを行うこととなりましたのでご紹介します。その名も”美術館で「文体練習」”ワークショップです。

「文体練習」とは小説家レーモン・クノーの作品名でもあります。クノーは本の中で、ある一つのなんてことない文章を書き、さらにそれを99通りもの「文体」に置き換えるということをやりました。元の文章は、ある男がバスに乗っていて云々という2段落程度の短い文章なのですが、次のページをめくると同じ内容の文章が「同語反復調」「4行で表す」「女子高生風」といったテーマのもとに書き換えられています。「文体練習」は世界数十か国語に翻訳され(言うまでもなく「翻訳」の難しい本です)、マンガ版「文体練習」も出版されています。この作品は読んでいてもおもしろいですが、やってみた方が数倍おもしろいのではないかということで、美術館でやることになりました。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
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小説家レイモン・クノーが1947年に出版した、99通りの文体で書かれたひとつの物語。
「文体練習(exercices de style)」の実践をしてみましょう

日時:2014年6月21日(土)14:00-16:00
講師:阿部純 (福山大学メディア情報文化学科講師)、津口在五 (AIR zine編集室)
定員:10名
対象:高校生以上
参加費:500円
持ち物:筆記用具
場所:なかた美術館 広島県尾道市潮見町6番11号 TEL. 0848-20-1218
予約は学外の方は美術館まで、学内の方は阿部までお願いします。

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実はこのワークショップ、今期の「メディア文化論」とゼミの中でもやってみました。「備後の言葉で書く」というテーマが、みなさんとてもお上手でした!

なかた美術館の今回の展示は、美術作品とその美術作家にまつわるカタログ、レゾネなどのテキストが展示室の中に並置される展示となっています。絵を言葉で表すことの難しさや、すごくよい文章と思われているけれども、もしかしたら異なる書き方もありなのかも…といったことを考えながら、「文体練習」していければと思っています。

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